初めに自己紹介をお願いします。
プログラミング教室MaKidsで代表講師をさせてもらってます山本皓太と申します。
元々個人でウェブ開発のお仕事をさせてもらってて、その後、自分が経験したことを子供たちに伝えていけるように講師をさせてもらってます。
授業の様子や授業で教える姿勢について教えてください
MaKidsではとても自由闊達な雰囲気で授業を進めていまして、カリキュラムもとても柔軟に対応できるような内容と進め方になってるんですね。
基本的なカリキュラムは決まってるんですけども、その中には様々な要素、算数に近いようなテーマであったり、音楽を扱うようなテーマがあったり、ロボットを使うテーマがあったり、子供達の興味を引く様々なテーマを設定してるので、子供達の好きなこと得意なことが見つかるようになっています。
具体的にはどんなテーマがあるんですか?
例えばプログラミングを使って、算数の要素を取り入れて図形を書いてみようというテーマがあります。
そのテーマではプログラミングを使うのは角度の部分で、キャラクターが線を書いてくれる機能を利用してキャラクターがまっすぐ進んで曲がるという動作を何回繰り返したら三角形になるでしょう?みたいな考え方やテーマを使っています。
今までは教科書でイメージがしにくかったような、図形のことなども自分で角度を決めたりとか、何回まわるということは辺の数が何個だということが分かったり、プログラミングだけじゃなくて算数の勉強とも連動してるって事ですね。
そうですね。算数であったり音楽であったり、算数以上に数学の知識に非常に深く関連しているテーマが多数揃っています。
MaKidsの『専任講師制度』について教えてください。
MaKidsのプログラミング教室はMaKidsの専門講師が授業を担当しています。他社のプログラミングスクールでは例えば塾の先生もやっている方がプログラミングの講師も担当するみたいなことが起こり得るんですけど、MaKidsはプログラミング教室の専門のスクールとしてやっているので独自のカリキュラムであったり教え方の部分であったりの研修をクリアした者だけが専門の講師として担当させてもらっている。
発表会の内容について教えてください。
MaKidsでは1年に1回発表会を行っています。その発表会では一つのチームとして2ヶ月間制作の期間を設けて発表会の準備をしていきます。特に特徴的なのは、子供達がさながら大人のプロジェクトみたいに役割分担をしていて制作に取り掛かっていくという所だったりしますね。
私はリーダーをやりたいであるとか僕はプログラマーを担当しますであるとか残りはデザイナーとプランナーという役割があるんですけどおよそ5名程度のクラスがその4つの役割に分担されてて、そこから本当にゼロから何を作るかっていうところから子供たちがアイデア出し〜議論をして制作していくという流れでやってます。
発表会で子供たちが役割分担することの目的はどういったものですか?
発表会の中で子供達には大きく三つの事を身につけてもらいたいと思ってやっています。一つ目は考え切る力。限られた時間の中でチームや個人のやりたいこと、こだわりたいことがある。そのせめぎあいの中でどうやったら今出来ない事を出来るか?であったり、どうやったらこれだけ沢山やりたいことがある中で期限内に制作完了できるかっていうことであったりを考え抜いて自分なりの答えを出すということがとても成長するポイント・大事なプロセスなので。それって普段の生活ではそんなにたくさん経験できないことなんですね。考え抜くという経験を積んでもらいたくて発表会をやっているというのが1つ目です。
2つ目は、人に伝える力を身につけてもらいたくて発表会をしています。先ほどの考える力やプログラミング技術がどれだけ高くなっていっても、結局その力を発揮するためには他人とコミュニケーションを取っていかなければ全く価値が伝わらないということになります。
大人子供関係なく、プレゼンテーションやチームの中のコミュニケーションというのは訓練しないと身につきにくいのです。なので、「プログラミングというものを学んでクラスのみんなでコミュニケーションをとって、発表を聞いてくれるお客さんに伝えきる」ということを経験してもらいたく発表会をやっています。
最後に三つ目が、自己肯定感を養ってもらいたいなと思っています。
発表会って結構大きな舞台なんです。これまでの発表会だとおよそ300人ぐらいの人がお客さんとして座っていて、舞台の後ろには壁一面ぐらいのプロジェクター投影がされています。大きなプレゼンテーションの画面を使ってその説明をマイクを持って伝えていく。大人でもそんなに経験しない事だと思いますし、子供にとってはなおさらですよね。そういうことをやり遂げるのはとても大きな自信になるなというのが、これまで子供たちを見ていて本当に感じてます。なので、発表会に取り組む中で身につけたことはもちろんあるんですけど、発表会をやりきったこと自体がその子たちの自信になっていくんじゃないかなと思ってるので、そこを培ってもらいたくて発表会をやってるというのが3つ目のポイントですね。
発表会とかプレゼンテーションと聞く「うちの子供もできるのかな…?」という不安もあると思うんですけど、誰でも出来るものなのですか?
そうですね、最初は不安があったり、慣れてないっていうのは当然のことだと思ってます。いきなり大きな舞台で発表とかっていうのはとても難易度が高いので、MaKidsでは毎回授業の最初と最後に発表する機会を設けています。宿題でやってきたことや考えたことを授業の最初に発表してから授業に取り組むんですけど、授業の最後にはその日一日やったことその日学んだことをみんなの前で発表してもらいます。毎回授業の中で小さな伝える経験を訓練することで、発表会の時にはみんなと一緒だしせっかく作ってきたし、ということで発表することはできるようになっていく。
もし途中で詰まったり沈黙してしまった場合にはどうするんですか?
普段の授業の時も発表会の時も、担当してる講師はもちろん子供たちのやっている事やがんばったポイント、学びがあっただろうなっていうポイントはしっかり把握しています。なので、発表してる時にはそれらの内容が常に頭に思い浮かんでいます。ヒントになりそうな言葉を少しずつ投げかけていったり質問して行ったりすることで、子供たちの言葉を引き出していくってことやってますね。なぜ講師が子供たちのことをそこまで詳細に把握出来るかというと、少人数制で授業やってるからですね。講師1人に対して最大5名の生徒になるようにしているので、子供達がやってることにきちんと目が行き届くように設計されています。
発表会やレッスン以外にも取り組みもされてると聞いたんですけども具体的にどういうことをされてますか?
(設立から)4年間、MaKidsは神戸に密着して活動してきたので神戸周辺の方達と様々な取り組みをさせてもらってます。例えば神戸市立六甲アイランド小学校では2020年度から毎月一回MaKidsの講師が小学校の先生と一緒に授業を企画・実施をするというトータルサポートをさせてもらっています。なぜやってるかというと、プログラミングがまだまだ広まっていない中で学校では必修化されるという状況で、僕たちがそういった教育をお届けできないかというところで小学校と共同で実施させてもらっています
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昨年はもう一つ取り組みを行いました。ロボコン世界チャンピオンの灘高校生の子と一緒にプログラミングのコンテンツを作って、オンラインで約60名のお子様に体験していただくというイベントを行いました。普段は扱っていない教材やカリキュラムを用いて、コロナウィルスの影響でなかなか習い事に行けなかったりするお子様のためにオンラインで授業を実施するということをさせていただきました。
オンラインで60人に授業をするというのは大変だったんじゃないですか?
そうですね、MaKidsでは過去にオンラインのイベントを主催・運営したこともありますし、日々オンラインのレッスンを実施しておりますので、そういった活動の知見を活かして問題なく教室を運営することが出来ました。
教室を運営している中で印象に残っていること教えてください
とても印象に残ってることが1つあります。とある教室で発表会の準備をしている時に、帰国子の男の子と外国の生まれの男の子がいたんですね。
帰国子女の子は日本語はしゃべれるけれども英語はちょっとだけわかるくらい。逆にその外国生まれの子は日本語はちょっとしか分からないけど英語は十分喋れる。基本的な会話は問題ないけど、込み入った話になるとお互いに理解するのが難しい時がありました。チーム開発では、何を作るか?どうやって作るか?本当に細かく自分の考えを伝えてお互いに理解していかなければ前に進まない。
マインドマップやフローチャートのような思考ツールを使ったり、身振り手振りで伝えたり、場合によってはプログラミング簡単に作って画面上でコミュニケーションしたりとか。本当にやりたいっていう気持ち、完成させたいっていう気持ちを糧に言語の壁を超えて制作してくれたっていうことが本当に印象的で。壁を越える瞬間を経験してくれて本当に良かったな、ていうのが一番印象的なことですね。
MaKidsでは、学年も性別も分けずに授業をされていますが、どういった狙いがあるのですか?
学年・性別・習熟度、時には言語が違っても同じクラスにしています。子供たちが教え合っていくことが一番の狙いですね。
講師もちろん子供たちのやってる様子を見てますし質問に答えていくんですけど、本当に細やかな所って子供同士の方がわかりやすかったりします。
同じスピードでやってる子達で教え合うのもいいですけど、先に始めていた先輩の子から教えてもらうとか、先輩の子が最近入った子がやってる様子を見たりして基礎のことを思い出したりすることで、子供たち全体の学びが向上していく効果があります。
最後に講師としての思いや夢を教えてください
講師としてやっていく中で、子供たちに人生を楽しんでいってもらいたいなと思ってます。そのためには自分が本当にやりたいこと好きなことに向かって全力で取り組む必要があるんだと思っているんですね。
MaKidsに来てくれてる子達にはプログラミングを通していろんなことを経験してほしいですし、好きなこと得意なこと見つけて欲しい。MaKidsを通して学んだ「考える力」・「伝える力」・「プログラミングの技術」を駆使してより良い人生を送ってほしいということを思って普段授業しています。